昔撮ったPV


松崎ナオの『花びら』、YouTubeで発見。たしか98年。なつかしい。すげえな。
自分がステディカム装着して(揺らすためだけに)、3か4テイク撮って、最初のテイクが採用になった。個人的には最終テイクが良いと思ってプロデューサーと議論したのだけど、「痛々しすぎる」という理由で不採用になった。同時に作ったTVスポットは全てのテイクを混ぜて編集してるんだけど、もう残ってないんだろうな。
バックトラックが少し遅れて始まるのは自分のアイディアだけど、まだ自分は駆け出しで信頼できなかったのだろう、アドバイザーとして付いてくれていたS氏がより過剰なアイディア(さらに遅れてトラックがついてくる)を出してくれてこのような形になった。というか、普通はPVで楽曲をいじるのはNGなので、S氏がついてくれなかったら実現しなかったのだけど。コードがブラブラしてるのが邪魔だといろんな人に言われたけど、あれがないとダメなんです。わざわざ特注して作ってもらったんです。
もちろんこれはお気に入りの作品で、いまだにイメージを引き摺っているところは少しあると思えど、『シンク』と併せて、この頃の、ものすごい勢いで微妙な空気を切り取るみたいな、偶然にしか見えないような奇跡みたいな、なんというかそのへんのキラッキラしたアレは二度と撮れない。もう10年経った。他に撮るべきものがあると思う。
実はこの企画の時に2案出していて、彼女の一言によって不採用になった方というのは、絵コンテをがっつり描いた映画仕立てのもので、「男と少女とナオさんがゴルフバッグに入った何かを車で捨てに行く」というものだった。採用になったやつは絵コンテ一コマ。まあ、一発撮りを選ぶだろうなとは思っていたけど。
ちなみに最近のPV『hello, goodbye』は撮影もディレクターも自分の後輩。