逗子湘南ロケーション映画祭

ほとんど寝れずに出発、結局一枚も観れずにDVDを返却、よくあること。行きの横須賀線が結構混んでいると思ったら、鎌倉でみな降りていった。鎌倉の隣だったのだな逗子は。地理を名前の連なりで記憶することができない。特に、何往復したかわからない湘南の海岸線においては。
逗子文化センターは到着してみればこれまたロケハン時に何回も前を通過したことのある近代的な建物であり、他者の運転する車で地理を憶える気なくただ風景を見ているだけでは本当に意味がないことに気付く。
司会のH高さん(とても達者な方だった)と念入りに打ち合わせ後、センター隣の蕎麦屋でザルを超特急でいただき(おいしかったが量が少ない)、いざ本番。ちゅうか上映前にトーク。ネタバレに留意せねばというプレッシャーがてんぱりを加速させる。スクリーンは、ステージ状の空間の背にある。スクリーン背負って喋るわけだ。
お客さんはまばらに見えたものの、後でよく考えるとこの会場収容人数は555人、新宿バルト9の一番でかい劇場より大きいわけで、ぎゅっと凝縮してミニシアターだと思えば大入り満員。お顔を拝見するに、PFFではまずお目にかかれない年齢層で、先日の伊参ともまた異なる。新鮮だった。チビッコがいるということがまず経験ない。チビッコのリアクション気になる。
トークは、司会の方のナイス進行によって事無きを得た。自分はあいかわらずクネクネしながら喋っていたらしい。言説が空転していたのは頭が寝不足だからということにしておいていただきたい。なぜ逗子をロケ地に選んだかの話、オレの映画はつまりどんなオレ映画かという話、映画づくりとは何かという話に及んだ記憶がある。映画祭のシナリオコンペに入賞し、スカラシップとしての作品を制作・お披露目した監督たちへの、先輩としてのコメントを求められたけれど、自分はたまたま場を与えられてここで喋っているだけで、状況は完全に同一線上にある。作品『Pンポン』も映画なら『Kもの』も映画には違いない。20億の大作も2000円の自主制作も等しく映画だ。上手く伝わったかどうかわからないが。それにしても某映画祭は司会進行にH高さんを雇うべき。ついつい話してしまう何かがある。
『けものがにげる』上映、会場広いのであまりリアクション聞こえなかったけど、後で聞くところによるとバカウケしていた方がいたそうだ。チビッコも静かにしていた。大人の事情のお話ではあるけど、アレがああなって変化して逃げて、という大雑把な流れを追うだけでも楽しめるようにと意識的に撮ったので、チビッコに集中させることができたのは嬉しいところ。やはりスクリーンで観てほしい作品だと思った。インターネットエクスプローラーの小窓とかじゃ全然面白くないっすよね?ね?
お世話になったスタッフの方々、フィルムコミッションの方に挨拶して会場を辞す。はるばる都内、あるいは、千葉・埼玉から来てくれたチームけもの&KMS13&ヒゲと呑……もうと思ったけど、まだ午後も早いのでどこも酒を出さないことに気付く。喫茶店をみつけて時間まで映画談義。なんかこういう上映の機会があると、スタッフ同窓会の様相を呈すのですね。楽しすぎる。みやげに同居人と海見て、鎌倉ハム買って帰宅。A野Pに電話で報告、喜んでくれて自分も嬉しい。


『けものがにげる』は町にクリスマスソングが流れ出す、ちょうど今ごろの季節を舞台にした作品で、まさにベストタイミングでした。このような機会を与えていただき、ありがとうございました。この次は劇場公開、したいです。
あと、会場で偶然お会いした佐々木さんを、僕は緊張のあまり、ずっと鈴木さんとお呼びしていた可能性があり、大変失礼なことを致しました。この場を借りてお詫びします。偶然ばったり、という瞬間に極度に弱いのです。



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