渋谷

晴れた家』で一緒に編集とかしていたH口氏が某社に籍を移し、最近たまたま連絡がとれたので、久しぶり会。カメラマンS田氏と。あまりに寒いので店を探す気力なく、声をかけてきたキャッチの兄ちゃんの言うがまま入った店が案の定失敗で、すぐ入れるはずが結構待たされた上、最後は急かされるはめに。飲み直すために同ビル地下の干物屋へ。最初から干物屋に入っていればよかった。絶賛大ヒット中の『K空』に違和感は隠し切れないものの唯一Gッキーの心情描写のみには筋が通っていた(世界はGッキーの心情のためにその有り様を変える)という話、その筋さえ通れば映画免疫のないローティーン女子は共感してボロ泣き、それをリアルと言う人あれば、新しいリアルとして認めざるを得ないという話。わかるがわかりたくないような。「リアル」という言葉の示すものが変わってきているとかではないのか。ともあれ今一番映画館に行かないのは10代女子と30代以上シニアまでの男性らしくて、10代女子のこころをガッチリ掴んだ『K空』とシニアのそれを掴んだ『某llways』がヒットするのは自明との由。なるほど勉強になる。
今、「映画を観る気分」というのは、ショッピングモールで買い物して、ちょっと時間があるので同ビル上階にあるシネコンに入って、そこそこお得感のある作品(1800円払う価値のありそうな無難なやつ)をさくっと選び、ちゃっと観て帰る感じなんだろうという話。そんな何気ない日常のなか、全く予期せず人生観変わるみたいな映画体験などしたくないだろうという。この話には納得。自分などは、ほんの少しでも日常の見え方が変わったらなあなどと期待して映画館に行くのだけど、「何気ない日常」ってやつは安心すぎだからなあ。
ゆるい企画会議でもこんど持ちましょうと約束して別れる雨の夜。本気で撮る気で話しないとなにも動かないと最近学んでいる。