自分の死刑執行日が明日となったので、一日だけ自宅に戻ってよいとされた夢を見た。自宅で風呂に入って着替えを少しだけ持ち、待たせていたタクシーに乗った。車が走り出した瞬間、脇腹に痒みを感じて、ああ、もっと丁寧に体を洗っておけばよかったなあと後悔した。
少なからずダウナーで起床、涼しくなってから同居人と散歩兼買い物。同居人はとにかく遠くまで行きたがるので毎週足が棒になる。3駅半離れているミスドで明日の朝食分のドーナツを買って休憩、糖分を補給。同居人がひっかかって携帯に画面メモしておいた、マッカーサーが好きでGHQ本部の壁に貼っていたという<青春>に関する詩を読む。ふーん。
夕食の材料を買おうと思ったらスーパーが閉まっていたのでファミレスに入る。相武紗季によく似た女子店員がバイトを終えて帰るところだった。さっきの詩は、青春は人生の一時期ではなくて心のありかたである、みたいな内容だったけど、自分の青春はあらゆる意味において終わっていて、じゃあいっちょ取り戻してみっか、などと思うこともないわけではないけど、一度失ったら戻らないから青春というものは輝いて見えるのであって、こうやって、ファミレスのカウンター越しに、赤いタンクトップを着て相武紗季によく似た女子店員が楽しそうに喋っているのを眺めているくらいの距離感で青春と付き合いたいなどと思う。ポジティブな考えだと思う。