川崎

東銀座の東劇で『2001年宇宙の旅』が最終日で、ギリギリまで行く気だったのだけど、夕方、突然めげた。今2001年を観るには気力が足りない。いつになるかわからないがまたの機会に。ていうかそういうリバイバルは早めに教えて欲しい。いや教えてもらうたぐいのことではないのは知ってるけど。ほんと自分はチラシとか一応もらうけど日付は全然見ないのだ。リマインダーがわりになればと、いくつかの劇場のメールマガジンを購読した。
めげたのだが、一度映画行く気になってしまったので、欲求が収まらず、近場で何とか気力とか勇気とかを使わなくていいやつを、と川崎に行ってエドガー・ライト監督『ホット・ファズ』観てきた。異様にカットが細かくて慣れるのにしばらくかかったがすごい楽しめた。アクションシーンでまた動体視力がついていけなくなったけど。
動体視力はともかくとして、時間を経過させていく感覚についてちょっと気になった。ワンカットで済むような時間経過のシーンに数カット、MVみたいな装飾的カットが入ったりしてテンポが早いように見えるけど、実際の劇中時間の流れは一本調子で、むしろ省略していない。映像はテクニカルだけど流れは不器用なまでにまっすぐ。入れたいものを全部入れている感覚。でもこれは主人公の変化に寄り添っていく構成だから意図的なのだろうとして、ただ、テンポを上げていく方法が、高速にカットを切り替えて効果音を乗っけていくということであるあたりが、ある一定の時間を切り取るのではなく、一瞬という時間の積み重ねであるという考え方に見えて興味深かった。
クローズアップの切り返しが多いというのは作風なのか、それとも機材調達に限界があったからなのか。スモールタウンでくすぶっている憎悪がブチ切れて吹っ飛び空中で二回転半して着地した良作だった。
地元の駅でちょうど泥酔している同居人といっしょになり帰宅。同居人はしばらく床でダウンしていた。情けない。