新しい人

必要に迫られて自作を何本かVHSにダビングした。2000年以降の監督作(自分の一存で上映可能なもの)を収録した形になるが、120分テープにちょうど収まり、あまりの短さに凹んだ。これじゃオールナイト上映もできない。
久しぶりに2004年の作品『新しい人』を観た。これは今まさにやってるENBUの映像俳優コースを初めて受け持った時の作品で、俳優は全員生徒(特別出演あるけど)、脚本を書かずに設定だけ与えて稽古でセリフを作っていったもの。『シンク』の時は「これ脚本あるの?」なんて言われて、くやしいわけではないが微妙な気分になったので(全部書かれたセリフですよ)、逆をやってみた。そしたら逆に物語らしきものが現れてきたから不思議なものだ。
『新しい人』は、死んでからあっちの世界に行くまでの猶予期間を与えられたとして、その間何をしたらいい?という話で、しばらくのあいだ、死を描いていることの重さとか、死生観の表出のベタさに耐えかねていたこともあって、放置していた。他のやりかたをずっと考えていることもあるけど。
今日久しぶりに観たら、なんか普通に、俳優たちの素な演技に引き込まれて、面白いと思った。こんなにロードムービーになってたとは。前にはっしーが言っていた「ちょっとキモい感じ」、確かにある、でもそこが作品のフックになっていることも確かで、ああ手前味噌、なんか上映してリアクション知りたいなあと思ってしまった。できるだろうか?
自分らの撮ったものを上映するのに知らない人に連絡しないとならないというのはちょっとアレだけど、愚痴るくらいいいじゃないですか自分の日記なんだし。