今年のまとめ 2009

■2008年から年をまたいで映画に関わっていて嬉しいものの、年末の慌ただしさおよび撮影の心理的ダメージを引き摺っている。ENBUゼミの作品『兄兄兄妹』の編集と初めての商業(フィクション)映画『スラッカーズ』の準備が同時進行。
■二月に『スラッカーズ』の撮影があるのでそれまでに『兄兄兄妹』の編集を進める。脚本読んだり書いたりその隙に編集を直したり。充実していたはずだがあまり記憶がない。法事で帰省した折に急性胃炎を患って一日入院、あやうく監督をクビになりかかるが気合いと決意とごめんなさいで怒濤の撮影、至らなさに凹む。
■三月に『兄兄兄妹』完成、渋谷シアターTSUTAYAにて上映。なかなか好評でほっとする。予告編をYouTubeで公開したら手応えがあったり、Twitterで知り合った人たちが観に来てくれたり、今さらながらインターネットの力を知る。
■というかリアルよりインターネットが楽しく生き生きキラキラと輝いて見えるいう社会人としてちょっとどうかと思われる状況。
■『スラッカーズ』のポスプロやりまくり、高崎映画祭で『晴れた家』が、市川準監督追悼特集の一本として上映される。この情報はインターネットで知ることとなった。ENBUの生徒たちと観に行く。
■五月、紹介により初めてテレビドラマの脚本を担当することになり名古屋に通う。自分以外が演出するものを書くという難しさ、主に日本語の能力の足りなさを突きつけられる。月末に『スラッカーズ』、渋谷シネマアンジェリカで公開。当初一週間のレイトの予定だったが、初日舞台挨拶のチケットが予約瞬殺だったため二週間に延長。びびる。スタッフや俳優たちと再び集まって飲むのが楽しかった。すぐにDVDが発売されるので、方々に配るために渋谷に買いに行ったのだが一枚も置いていなかったのでもう渋谷には行かないと決める(後に撤回)。結局DVDは通販で購入。
■六月、慣れないトークゲストに呼ばれてほとんど役に立たなかったり初めて梅酒を仕込んだり(まだ飲んでいない)。マイケル・ジャクソンの死。
■夏、PFFの回顧上映で『シンク』を回していただく。なつかしい。しかし自分はまだ『シンク』を越えるものを撮ってないわーあはは。久しぶりに旧友(映画宣伝マン)とその奥様に再会、同出身大学特有のネガティブなアレを吐きまくってスッキリする。担当したテレビドラマがOA、その演出の妙にほっとする。もう一本書くことになり再び名古屋通い。夏休み期間はお盆も返上してずっと脚本、あとドラクエ9、楽しい。
■一週間軟禁されたあげくズタボロになってようやく神奈川に帰ってきた時のジリジリした暑さに本当に安らいだ。世の中には本当にいろんな考え方の人がいるが、ここまで徹底的に考えが違う人がいるということを一週間程度で知ることができたのはむしろ幸運なんだろう。システムの違い、文脈の違い、態度の違い、勉強させてもらった。それと、自分が本当に観たいものを演出できるのは自分だけなのだなと、何となく感じていたことを形にして見せられた夏。お台場にガンダム見物に誘われ、なんとか現実に戻れる。
■九月に学生時代の友人、というか初めての映画の主演女優が結婚。あれから10年だよ。いや10年と数年経ってるんだ。ビンゴで自転車が当選、「NETIZEN」と書いてある。以後我が家のメイン車輌に。
■十月、何年ぶりかの大箱でのライブ、Perfume観に行く。ドラマのOA(…)。栃木・蔵の街かど映画祭で『けものがにげる』上映があり、侘美さんらと舞台挨拶に行く(宇都宮で餃子を食べることも忘れない。あとオクトーバーフェストでビール、馬にも乗る)。キネマ旬報より『晴れた家』についての原稿依頼があり恐縮しつつも渾身の文章を書く。また、嬉しいお誘いを受け、急遽パスポートをとることに。
■十一月、初めて海外に招待を受け、韓国ソウルで『スラッカーズ』の上映。招待を受けるのも初だが海外旅行自体が初。初初初初初で目が虚ろだったはずだが記憶は鮮明だ。とりあえず、韓国での経験を日記にUPするのが来年ひとつめの抱負です。帰国してから、同行できなかったプロデューサーに報告に行ったら喜んでくれた。こんどこういうことがあったら万難を排して行くべき。楽しいんだもの。
■十二月、忘年会らしきものには参加できなかったが、『シンク』上映のころに講師をしたワークショップの生徒たちが同窓会を開いてくれた。さすがに十年も会ってないというメンツはいないけど、みな今でも何かしら映画に関わっていてくれて嬉しい。学生みたいに飲んで潰れてんの見てニヤニヤしてしまう。寝ゲロの掃除も含めて楽しかった。
■こうやって書きながらの回顧、今年は前半の充実度から後半のフェードアウト具合がグラフとして可視化できそうな一年だった。ゼロ年代云々というまとめ方には違和感があるが、個人的には、ここ10年くらいの伏線が、なんかいろいろまとまって収束した感がある。ただこの先のための新しい伏線をひけたかどうかは不明。韓国行きは本当に嬉しいご褒美で、もう今年一年のキツさやら鬱屈やら凹みが全て浄化された。ありがとうございます。憶えておこうと思う2009。
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