渋谷

昼からずっと引っ越しに向けた荷造り作業。先週から少しずつ続けているが、書籍とCD・DVDの類いだけでうず高く積み上がる段ボール。それらの置き場を確保するために、元あった家具を移動・分解・再配置し空間を作る、自宅テトリス状態。いくら片付けても終わる気配がない。100冊はあろう書籍や無駄にとっておいたVHSは処分するつもりなのに、全然減ったように見えず。資料整理中に発見した昔の写真やら映画の覚書(感熱紙)やら上映のアンケートやらで毎日過去と向き合っている。引っ越しとはイニシエーションか。
大学を卒業してからずっとこの部屋に住んでいて、就職し、映画の賞をいただき、退職し、同居人が増え、家族を何人か亡くし、いろいろやったりただ潜伏していたり、長い長い時間を過ごした部屋だけに、ここから出て行くのだと思うと、寂しいという思いよりも、強い違和感がある。年をとると人は環境の変化に耐えられないと聞くが、それが理解できるお年頃なのか。
夜から、今日無事に初日を迎えたある映画(メイキングを撮って少し手伝った)の打ち上げがあるというので渋谷まで。少し遅れて行った。映画は大入り満員だったとのことでホッとした。そういえば初めて監督と出会った店だったが、その監督は座の奥深くで話し込んでいて目配せも届かぬ、隅っこでキャメラマン氏と技術のお話などさせていただく。そういや『グレイト・グランマ・イズ・スティル・アライブ』と同じカメラ使ってた。色みがずいぶん違うが、これはやはり照明と露出調整の結果で、カラコレで結構追い込んだところでも差が出るのだな。俳優のK林くんと久しぶりに少し話して(実は引越し先が近所になりそうとのことで)こんど飲もうとか言って帰ってきた。