『グレイト・グランマ・イズ・スティル・アライブ』上映終了(とりあえず)


4/11と16の二回、『グレイト・グランマ・イズ・スティル・アライブ』が上映されまして、多くの皆様にご鑑賞頂き、遅くなりましたが、お礼とご報告を。劇場でお会いできても、なにしろ二年ぶりの映画であり、戸惑いとテンパりによってろくにお話できなかったことが申し訳なく、少し書かせていただきます。
『グレイト・グランマ・イズ・スティル・アライブ』は2009年の『スラッカーズ』以降、自分の2年ぶりの新作でした。同じく2009年の『兄兄兄妹』とは同時期に仕上げをしていた記憶があるのですが、本作もENBUゼミ映像俳優コース所属者の、俳優のたまごたちの「卒業制作」です。自分が演出・監督して一本の作品を仕上げるという目的の。客演二名を除いて全員が生徒です。
本作はそういった企画モノ、ではありますが、自分の試みや指向が色濃く出ている、完全オリジナルの最新の映画であります。また別の上映の機会を作りますので、是非スクリーンでご覧頂きたい映画です。
Smalllight Pictures Information >> 『グレイト・グランマ・イズ・スティル・アライブ』 上映データ

2010年の9月から週一〜二程度で演技の練習を、といっても、演じること自体初めての生徒もいるわけで、ゲーム的なものや即興、簡単な台本などを使って少しずつ意識をほぐしながら、ようやく慣れたかなと思った11月にはもう撮影しなければならないのです。時間が足りません。台本ができてからさらにリハーサルをしました。
台本は、予め考えていた複数の企画の中から選んだひとつを、授業のなかで得た各々の印象から当て書きしはじめたところ、どこかの時点で飛躍してあのようになりました。女性たちがパワフル(いや男性陣が弱いという意味ではなく)なのは俳優の分野だけではないようにも思えますけれども。うん。
また台本は今までENBUのために書いたものの中では一番時間がかかってしまいました。ネタバレになってしまうので詳しくは書けませんが、つまりほぼ全員が「等身大」の役柄ではないのに、「等身大」の意識で演じなければならない、そのための技量と度胸を、いまからでも獲得して欲しいという要求を突きつけるためのものが必要だったのです。とはいえ自分もこのような構造の映画は初めてですので、リハーサルに入ってからは、共に考えながら各々のシーンを作ることができ、充実した時間でした。というかリハーサルからがようやく本番だった感じが。
撮影は二泊三日でサイタマは深谷に行きました。助監督をお願いした村松英治(血のつながりはありません)が深谷という地を紹介してくれて、ウワサの深谷に行ってみたら映画より面白い人、人、人、あと橋と家と鉄塔。よきスタッフに恵まれ、胃が痛むこともごく少なく、本当に楽しく撮影することができました。仕上げ中に震災が起こり、完成できるのか、また、このまま完成させてもよいものなのか考えましたが、ひとつの記録としてそのまま公開することにしました。
この場を借りて関係各位に感謝します。